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新 冬の式目
初折表(オモテ)
神祗、釈教、恋、無常、述懐、病体、戦争、妖怪、人名、地名を詠まない。発句は制限ない。

発句 雑(冬) や、けり、かな、などの切れ字を用いるのが好ましい。
脇  雑(冬)発句に密着する。同季同場同時
第三 雑(無季) 前句から転ずる。て、に、にて、らん、もなし、の留字で留める
四 雑(無季) あっさりと
五 月(秋)月の句 。
六 雑(秋)同季を続ける。自由に。

初折裏(ウラ)
一 雑(秋) 自由に。
二 雑(無季) 自由に。
三 雑(無季) そろそろ恋の句。
四 雑(無季) 恋の句は二句続ける。
五 雑(無季) 自由に。
六 雑(無季) 自由に。
七 月(夏) 月の定座。
八 雑(夏) 季節の句で。
九 雑(無季) 自由に。
十 雑(無季) 花の定座の前は植物を詠みこまない。
十一 花(春) 花は桜のこと。
十二 雑(春) 季節の句。

名残の表(ナオ)
一(折立) 春の句 季節の句。
二 雑(無季) 自由に。
三 雑(無季) 自由に。
四 雑(無季) 自由に。
五 雑(冬) 季節を活かして。
六 雑(冬) 季節の句は二句続ける。
七 雑(無季) 自由に。飛び切りの恋の歌を二句以上はさむとよい。
八 雑(無季)
九 雑(無季)
十 雑(無季)
十一 月(秋)表の句と同じ興趣にならないこと。
十二 雑(秋) 季節の句。

名残の裏(ナウ)
一 雑(秋) 季節の句。
二 雑(無季) おだやかに。
三 雑(無季) おだやかに。
四 雑(春) 季節の句。
五 花(春) 花は桜のこと。
挙句 雑(春) おだやかに終わる
【2007/11/10】  この記事のURL | 式目 | CM(61) | TB(0) | ▲ top
吹き寄せ
まつさを
植物園の空はまつさを
ぶらんこ立ち漕ぎ月まで行かむ
奉公さんを抱いて眠る
博士の愛したフラスコひとつ
満月に向かひて吠えてみたくなる
エンゼルのおしりのゑくぼ水蜜桃


聖五月
赤旗も昭和も遠く聖五月
昔とは父母がいた頃反抗期
サンディエゴの吾が旭日に狼狽す
相場師は神の手を持つ引き篭り


雪虫
鍼持ちて雪虫歌ふ人はるか
週一度長谷川平蔵の渋き声
寅さんの恋も中盤土手の花
どうしてもスリムに見える朔太郎
射抜かれて風となりゆく緋の仰木
初春の頓馬天狗の初手柄

メロンの
夕張の赤きメロンの恋に似て
お接待の雑魚のうれしや島遍路
人の目も薄日も白し石の道
やりきれぬときにも薫る初夏の風
ハンケチを失くして泣ける更年期
脈拍とタンゴのリズムこめかみに
秋波にっこりどぶに捨てたる

どっ禿
まだかよと待つどっ禿げ亭主
おとといのケーキ崩れる梅雨曇
おろか生えの赤紫蘇は未だ丈低く
夜桜のぼんぼりの下誰もゐず
白足袋に綱渡りする道化者
ぜんざいは善哉下戸の守り神
袖触れ合ふも雁木の下に

風呂敷マント
がき大将の風呂敷マント
グリコねえさんの甘い誘惑
尻取りはりすすりりんごごじららん
列を乱して飛ぶパパラッチ
ジューサーのサーのあたりが目詰まりし
転た寝のブン屋の文助あご外し
旅人や上がり框に万金丹
夕餉の卓は諸行無常
千円の逆さ富士あり懐に
オペラ座のねずみも第九声合はせ

【2006/12/01】  この記事のURL | 百韻 | CM(1) | TB(0) | ▲ top
続続 にはたづみ


バス客の膳整はず花の寺

夜桜の内緒話がここかしこ

毛語録花の栞も色褪せて

夜の更けの菩薩の如き花明かり

イエローキャブ花散り散らし朝の雨

浦島は花吹雪の下老いていく




身に覚えなき痣ひとつ夏の月

久々のヨーガは月の礼拝

御簾上げれば雪降るごとし月明り

寒月のつれなき友の顔に似て

すこし歪な立待ちの月

読みさしの本そのままに冬の月

群雲に月隠せよと祈りつつ

望月にあぶり出されて置き手紙

影法師雲間に月の照るままに

月明りうなじの汗がひと筋に

雲の中魔法の様に秋の月
【2006/11/13】  この記事のURL | 未分類 | CM(0) | TB(0) | ▲ top
続 にはたづみ


形見分け珊瑚の指輪あかあかと

離宮の姫の言葉少なき

不器用な子は骨抜きの鮒好む

ぼんやり同心楊枝くはえて

旦那腕まくり鄙のお座敷

地球儀を銜へてにつこり笑ふ犬

花柄の毛布で仕切る四畳半

玄関脇にランドセル置き

あとかたづけは亭主の仕事

明日香路の大和美人の下ぶくれ

手にぶらぶらとフェラガモの靴

水界に棲み飽き太夫芸を捨て

青年団は揃ひの化粧

婆さんの今日の土産は大つづら

元気の素の若作りして

おたふく風邪の児の頬かむり

ふふみて笑まう生きとしものは

ゆるやかに分離してゆく妻と子と

光の粒の一膳の飯

夕まぐれ七つ屋通ひの頬かぶり

セールスマンはあ・い・う・え・お・あ・お

内供の鼻の茹で上がるころ

箱の酒でも買って行かうか

古板塀やんちゃが覗く路地の家




花束をうしろに隠し待つ少女

見送る女優Mのまなざし

約束のブルーノートの御立ち台

坊主は隠す交換日記

石段にすれ違いざま散る火花

急カーブよろめき人の薄き肩

躓くふりして君の手を借る

零続くスコアボードのやうな恋

残業の部屋耳そばだてて

手探りで鼻緒をすげる赤い糸

三日夜の餅の未だ食べぬ間に

とじ蓋と言はれし人の逃避行

想ひ文納戸の灯つぎたして

元の鞘よりまだ見ぬあんた

絵双紙は柳行李に匿されて

眠りの姫は千年を待つ

髪型を変へて気を引く二度三度

米びつは空になれども君の居て

韓流の紅くちびるに夕の闇

啖呵より目で訴へる左褄

助六もプリンも回る昼下がり

化粧も念入り父には内緒
【2006/11/13】  この記事のURL | 未分類 | CM(0) | TB(0) | ▲ top
にはたづみ


サマンサはママと諍ひ春暑し

造反無理と嗤ふ蒲公英

シャボン玉割れて夢覚め安堵する

遠く畑打つ母の手拭

ひめうづの芽生えを見むと来し野原

紙風船にゆれる母の掌

雛送りには過去も道連れ

凧合戦では大将候補

朧夜に聞く犬の遠吠え

押すな押すなと子燕の口

なくて七癖日永に数へ

みどりごのうつらうつらと春の海





踊り終へアンダルシアの夕の虹

ビキニ娘は爆ぜ豆の色

独り占め王者たるべし甲虫

うらなりばかりの瓜売り歩く

大江戸に燕がへしの瓦版

簾の奥より流るる呪文

浴衣で隠す飛天のタトゥー

夏座敷いつまで続く牌の音

肌脱ぎで花道転ぶ宗五郎

かつかつ走るキャミソル娘

蚊帳の中ではよく眠る奴

蛍籠揺れて少女微笑む





秋暁の沈黙ゴッホの耳となり

鈴虫の声しきりなる独りかな

魔女たちの篝火燃えて芋煮会

幸ひは足元みつめ秋麗

柚餅子の店は二十里彼方

食卓にそつと檸檬を置きにけり

夕闇や隠せど香る金木犀

一声の青い蜜柑に集まりて

勝手からそつと出ていく蚊の名残

蓑虫や一直線の命綱

菊薫り去りてゆく日の近づきぬ

べい独楽のゆるりと傾き埒もなし

子どもらの居らぬ空き地や白粉花

枝豆の殻山盛りに夕餉かな

鰯引く佐渡の入り江に舟泊めて

銀河渡つて逢ひに来るひと





凍てつきし夜足音の遠のきて

木枯しに髪泳がせて向かふ人

姫君の輿天蓋に冬銀河

除夜の御岳よこしまな夢

木枯らしの間にチャルメラの音
【2006/11/12】  この記事のURL | 未分類 | CM(0) | TB(0) | ▲ top
歌仙 青蜜柑
歌仙 青蜜柑
起首 2006年 10月23日
満尾 2006年 11月8日
美夜野, 雁 両吟


初折表
発句 秋  美術展忘れ仲間と散歩かな   美夜野
脇  秋月 月の影踏み遊ぶ子ども等    雁
第三 秋  一声の青い蜜柑に集まりて   美夜野
四  雑  幸福の鳥彼方へ逃げた     雁
五  夏  追掛けて追掛けて来て雲の峰  美夜野
折端 夏  蛍籠揺れて少女微笑む     雁
初折裏
折立 雑  えつなあに顔に何かが付いている? 美夜野
二  雑  いやだこの椅子ペンキ塗り立て   雁
三  恋  化粧よりお茶を淹れてよ菓子がある 美夜野
四  恋  だらりの帯の項悲しげ       雁
五  雑  ひさかたの都より西旅したく    美夜野
六  雑  日に染まる山の辺の路       雁
七  冬月 教育に君が代滲みて月凍り     美夜野
八  冬  雪のカナダに翻る旗        雁
九  雑  擦り切れて風変われども押し立てる 美夜野
十  雑  雑巾のよう疲れた心        雁
十一 春花 若者が花見の茣蓙で舟を漕ぐ     美夜野
折端 春  春の小川に白線流し        雁
名残表
折立 春  卒業を祝うてくれた兄の顔    雁
二  雑  幾つになっても甘えて居たく   美夜野
三  雑  赤ん坊頬に涙の筋のこり     雁
四  雑  素質はいいのに酒癖悪い      美夜野
五  夏  肌脱ぎで花道転ぶ(まろぶ)宗五郎 雁
六  夏  はねて短夜さて何処へ行く     美夜野
七  恋  誰みよと君が袖ふる汽車の窓    雁
八  恋  届く封書に綿のハンカチ      美夜野
九  恋  デスデモーナ盗まれたのが悲劇なり 雁
十  雑  覗き見るには天井桟敷       美夜野
十一 秋月 雲の中魔法の様に秋の月      雁
折端 秋  雁渡るらん道しるべなり      美夜野
名残裏
折立 秋  秋の朝1人で歩くウイーンの森  雁
二  雑  ニンフに注意魔女も出没     美夜野
三  雑  祖母からの故郷のかほり宅急便   雁
四  春  かの山川に春の風吹く      美夜野
五  春花 桜咲く入園式の笑い声      雁
挙句 春  花見は続く美夜の原野に     美夜野
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冬の式目
初折表(オモテ)
神祗、釈教、恋、無常、述懐、病体、戦争、妖怪、人名、地名を詠まない。発句は制限ない。

発句 雑(冬) や、けり、かな、などの切れ字を用いるのが好ましい。
脇  雑(冬)発句に密着する。同季同場同時
第三 雑(無季) 前句から転ずる。て、に、にて、らん、もなし、の留字で留める
四 雑(無季) あっさりと
五 月(秋)月の句 。
六 雑(秋)同季を続ける。自由に。

初折裏(ウラ)
一 雑(秋) 自由に。
二 雑(無季) 自由に。
三 雑(無季) そろそろ恋の句。
四 雑(無季) 恋の句は二句続ける。
五 雑(無季) 自由に。
六 雑(無季) 自由に。
七 月(夏) 月の定座。
八 雑(夏) 季節の句で。
九 雑(無季) 自由に。
十 雑(無季) 花の定座の前は植物を詠みこまない。
十一 花(春) 花は桜のこと。
十二 雑(春) 季節の句。

名残の表(ナオ)
一(折立) 春の句 季節の句。
二 雑(無季) 自由に。
三 雑(無季) 自由に。
四 雑(無季) 自由に。
五 雑(冬) 季節を活かして。
六 雑(冬) 季節の句は二句続ける。
七 雑(無季) 自由に。飛び切りの恋の歌を二句以上はさむとよい。
八 雑(無季)
九 雑(無季)
十 雑(無季)
十一 月(秋)表の句と同じ興趣にならないこと。
十二 雑(秋) 季節の句。

名残の裏(ナウ)
一 雑(秋) 季節の句。
二 雑(無季) おだやかに。
三 雑(無季) おだやかに。
四 雑(春) 季節の句。
五 花(春) 花は桜のこと。
挙句 雑(春) おだやかに終わる
【2006/11/07】  この記事のURL | 式目 | CM(0) | TB(0) | ▲ top
歌仙 燕がへし
歌仙 燕がへし
起首 2006年 10月4日
満尾 2006年 10月19日
雲, 三日月 両吟


初折表
発句 目を描き爺に似てくる案山子かな  三日月
脇  明日は月見の酒とまゐらう     雲
第三 べい独楽のゆるりと傾き埒もなし  三日月
四  ガキ大将は胡座をかきて      雲
五  すくすくと筍は伸び立ち往生    三日月
折端 去年の浴衣もつんつるてんに    雲
初折裏
一  難題じや下駄を預けて逃避行    三日月
二  あとかたづけは亭主の仕事     雲
三  髪型を変へて気を引く二度三度   三日月
四  今朝は美人とお手々つないで    雲
五  野に置けばピンクもあせて夜の華  三日月
六  ため息吐息の満員電車       雲
七  寒月のつれなき友の顔に似て    三日月
八  こぼれ落ちたる柊の花       雲
九  腰かがめほんにミレーとやせ我慢  三日月
十  デッドボールを笑顔で受けて    雲
十一 夜の更けの菩薩の如き花明かり   三日月
折端 浅蜊は厨に塩吹きにけり      雲
名残表
折立 みどりごのうつらうつらと春の海  雲
二  小さき靴に宿る心根        三日月
三  足跡を辿りてゆけば森の中     雲
四  ぼんやり同心楊枝くはえて     三日月
五  大江戸に燕がへしの瓦版      雲
六  島に選びしアロハの派手さ     三日月
七  双眼鏡の彼方に君の手を振りて   雲
八  化粧も念入り父には内緒      三日月
九  へそくりを使ひ果たして医者通ひ  雲
十  空飛ぶ靴を買つてはならぬ     三日月
十一 影法師雲間に月の照るままに    雲
十二 馬は肥ゆれど主は痩せて      三日月
名残裏
折立 菊薫り去りてゆく日の近づきぬ   雲
二  濁ることなき水満々と       三日月
三  ナルシスト電車の中でも化粧して  雲
四  なくて七癖日永に数へ       三日月
五  花びらを糸に綴りて首飾り     雲
挙句 そぞろ歩きに春の更けゆく     三日月
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歌仙 金色観音
歌仙 金色観音
起首 2006年 10月10日
満尾 2006年 10月23日
若布, 紗子 両吟


初折表
発句 秋  枝豆の殻山盛りに夕餉かな      若布
脇  秋月 つい飲み過ごし月は天心       紗子
第三 秋  まるめろのジュース金色咳もなし   若布
四  雑  広告見上げる鮨詰め電車       紗子
五  夏  独り占め王者たるべし甲虫      若布
折端 夏  表紙はひまはり観察日記       紗子
初折裏
折立 雑  花柄の毛布で仕切る四畳半      若布
二  雑  茶室の客はポルトガル人       紗子
三  恋  ひとり寝の窓辺に遠きファドを聞く  若布
四  恋  三日夜の餅の未だ食べぬ間に     紗子
五  雑  いま評判阿国歌舞伎のニューフェイス 若布
六  雑  手品よろしく繰り出す名刺      紗子
七  冬月 読みさしの本そのままに冬の月    若布
八  冬  木枯らしの間にチャルメラの音    紗子
九  雑  西安へキャラメル駱駝の背に乗り   若布
十  雑  古都の甍を伝ふ盗賊         紗子
十一 春花 花片が謎の鍵さと金田一       若布
折端 春  朧夜に聞く犬の遠吠え        紗子
名残表
折立 春  シャボン玉割れて夢覚め安堵する   紗子
二  雑  添ひ寝する子のほっぺつんつん    若布
三  雑  仏にも鬼にも見ゆる時のあり     紗子
四  雑  筋トレ効果ギタリストの腕      若布
五  夏  踊り終へアンダルシアの夕の虹    紗子
六  夏  半円形のパンをテラスで       若布
七  恋  バスケットに紅茶とフルーツ初デート 紗子
八  恋  触れし指先唇に寄せ         若布
九  雑  ガラス片七色の光弾き出し      紗子
十  雑  おろがみ仰ぐ金色観音        若布
十一 秋月 慣れぬ旅寄り添ふ母子に二十日月   紗子
折端 秋  阿波の踊りで再会果たす       若布
名残裏
折立 秋  コスモスの便りが届き里心      紗子
二  雑  あの日の山のうさぎ美味しく     若布
三  雑  不器用な子は骨抜きの鮒好む     紗子
四  春  凧合戦では大将候補         若布
五  春花 風に舞ふ花片仰ぎて早や一年     紗子
挙句 春  追ふも遊ぶも佳き日永かな      若布
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花の栞
歌仙 花の栞
起首 2006年 10月20日
満尾 2006年 11月2日
和甫,ひの字 両吟


初折表
発句 秋  蓑虫や一直線の命綱        和甫
脇  秋月 月観る人も耳を澄まさむ      ひの字
第三 秋  鹿威し料理の味は是非もなし    和甫
四  雑  婿の不始末水に流して       ひの字
五  夏  談合に天の声じやと行々子     和甫
折端 夏  夏枯れ知らぬ役人の身上(しんしゃう) ひの字
初折裏
折立 雑  グーチョキパー勝者はたれぞ三竦み 和甫
二  雑  旦那腕まくり鄙のお座敷      ひの字
三  恋  啖呵より目で訴へる左褄      和甫
四  恋  家を忘るる便利な性分       ひの字
五  雑  ここは何処呆けるふりの自己主張  和甫
六  雑  なんでやねんとハリセンが飛ぶ   ひの字
七  冬月 荷を解きしイスタンブールの月冴ゆる 和甫
八  冬  客に振舞ふ柚子風呂をたて     ひの字
九  雑  一切を洗い流して対座せり     和甫
十  雑  藻屑と消ゆる上海時計       ひの字
十一 春花 毛語録花の栞も色褪せて      和甫
折端 春  造反無理と嗤ふ蒲公英       ひの字
名残表
折立 春  春の芝戻らぬ人の数かぞへ     ひの字
二  雑  おじゃみする子の手の甲のえくぼ  和甫
三  雑  怪獣の役に疲れた父見棄て     ひの字
四  雑  鳥の宿り木菊池寛像        和甫
五  夏  夏座敷いつまで続く牌の音     ひの字
六  夏  放浪癖を南風(はえ)が後押し   和甫
七  恋  後朝はまずおむすびで腹充たし   ひの字
八  恋  連理の枝が重さで折れた      和甫
九  恋  韓流の紅くちびるに夕の闇     ひの字
十  雑  おばちゃんパワーに明日を託す   和甫
十一 秋月 月に化け小森に隠る家出の子    ひの字
折端 秋  松茸土産に意気揚々と       和甫
名残裏
折立 秋  将軍の迷ひ箸して菊膾       ひの字
二  雑  鼻息熱しめ組の頭         和甫
三  雑  火防せ札目の節穴と饒舌の口に   ひの字
四  春  鴬餅を耳に引き寄せ        和甫
五  春花 隠居より八兵衛強し花の茶屋    ひの字
挙句 春  遊子となりていざ参らうぞ     和甫

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