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にはたづみ |
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春
サマンサはママと諍ひ春暑し 造反無理と嗤ふ蒲公英 シャボン玉割れて夢覚め安堵する 遠く畑打つ母の手拭 ひめうづの芽生えを見むと来し野原 紙風船にゆれる母の掌 雛送りには過去も道連れ 凧合戦では大将候補 朧夜に聞く犬の遠吠え 押すな押すなと子燕の口 なくて七癖日永に数へ みどりごのうつらうつらと春の海 夏 踊り終へアンダルシアの夕の虹 ビキニ娘は爆ぜ豆の色 独り占め王者たるべし甲虫 うらなりばかりの瓜売り歩く 大江戸に燕がへしの瓦版 簾の奥より流るる呪文 浴衣で隠す飛天のタトゥー 夏座敷いつまで続く牌の音 肌脱ぎで花道転ぶ宗五郎 かつかつ走るキャミソル娘 蚊帳の中ではよく眠る奴 蛍籠揺れて少女微笑む 秋 秋暁の沈黙ゴッホの耳となり 鈴虫の声しきりなる独りかな 魔女たちの篝火燃えて芋煮会 幸ひは足元みつめ秋麗 柚餅子の店は二十里彼方 食卓にそつと檸檬を置きにけり 夕闇や隠せど香る金木犀 一声の青い蜜柑に集まりて 勝手からそつと出ていく蚊の名残 蓑虫や一直線の命綱 菊薫り去りてゆく日の近づきぬ べい独楽のゆるりと傾き埒もなし 子どもらの居らぬ空き地や白粉花 枝豆の殻山盛りに夕餉かな 鰯引く佐渡の入り江に舟泊めて 銀河渡つて逢ひに来るひと 冬 凍てつきし夜足音の遠のきて 木枯しに髪泳がせて向かふ人 姫君の輿天蓋に冬銀河 除夜の御岳よこしまな夢 木枯らしの間にチャルメラの音 |
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